Badume's Band / OKI meets Misako Oshiro
KOKO-0025/ 12inch Vinyl/ 1,680yen (tax In)/ 2012.10.17 Release
Crosspoint / Proception からの新作12 インチは、クラブ・フロアにネイティヴなヴァイブスを注ぎ 込む4曲を収録。
エチオピアの呪術的グルーヴに魅せられたフランスはブルターニュ地方のバンド、バ ドゥムス・バンドの2011 年作『Ale Gena - Ethiopia』から2曲。 アイヌ伝来の弦楽器トンコリ奏者として前人未到の活動を続けるOKI と、沖縄民謡の最高峰、大城美佐子の競演作『北と南』から2曲。 前者ではエチオピア人歌手セラムネッシュ・ゼメネの力強いコブシ回しが炸裂し、後者では沖縄民謡 の祝祭的グルーヴが波打つ。
〈今だからこそ〉耳を傾けるべき音がここに。エチオピアと日本の間の 奇妙なほどの文化的相似にも思いを馳せたくなる4曲だ。大石始(ライター/エディター)
Badume's Band
エチオピアのファンキー・ヴィルスに感染したブルターニュ人たち。哀愁の響きを持つメロディー・ラインを、ブローしまくるサックスやシャウトしまくるコ ブシ・ヴォーカルが、これ以上ないファンキーさで演奏し、衝撃を与 えてくれた、エチオピアン・ポップ。フランス、ブルターニュ地方のこのバドゥムス・バ ンドは、エチオピアの 歌手の使うコブシやフレージングが,ブルターニュの伝統的歌唱などと極似していることに気付いたリーダーの リック・メヌトーが7 年の 歳月を経て作ったエチオピアン・オーケストラです。エチオピアのオーティス・レデ ィングことマハムド・アハメドにも「今日、世界一のエチオピアン・バン ドはこのブルトン人たちだ」と称され た彼ら。ファンキーかつ愛情溢れるエチオピアン・ポップを繰りひろげています。
OKI meets Misako Oshiro
沖縄の唄三線にアイヌのトンコリが恋をした。紡ぐ音、歌う言葉にウムイ(想い)をのせて。 OKI と大城美佐子――ひとりは、樺太アイヌの伝統弦楽器・トンコリの奏者であり、世界を見つめた斬新な 音作りでアイヌ音楽の可能性を切り拓いてきた ミュージシャン/プロデューサー。ひとりは、唄の道を歩み続け て55 年、御年76 歳にして現役、“ 絹糸の声”を持つ沖縄民謡界の女王として君臨する唄者。 誰も想像しな かっただろう北と南の出会い。アイヌ、沖縄をルーツとする2 人の夢のコラボレーションが実現した。遠い昔に あったどこか、それともまったく新しいどこか。懐かしいよう であり新鮮でもある、その地に鳴る音は胸の奥 をじわりじわりと刺激する。大城美佐子とOKI、2 人が心通わせ描いたこの音の景色こそ、ほかの誰もたどり 着かなかった“ 北と南が出会うところ”なのかもしれない。
(文/岡部徳枝)
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