Soft Meets Pan / Tam ~ Message to The Sun
うちだまつり Interview
—TAM 『Soft meets Pan』の最初の制作は約11~12年前になると思います。当時、アルバムに関わられたときの制作秘話、また思い出深いことがありましたら教えて頂けますでしょうか?

共通の友人(エンジニアの内田氏)を通してMOOCHYは以前から知っていて、MIX中に(隣の部屋で)よく(呑みながら)いろんなアツい話をしていた。私は当時、ドラヘビやキセルのCDジャケットを描いたり、本や演劇のフライヤーなど、子育てが中心だったが、絵の仕事もしていた。私が将来絵本を描きたいという話を彼にしていたようで、あるとき、電話があり、物語を描いたから絵を描いてくれ、と言われました。

—2010年リリースのTAM 『Soft meets Pan』の絵を内田さんが担当されておりますが、どのように制作されたのでしょうか?

あるとき、MOOCHYから電話があり、物語を描いたから絵を描いてくれ、と言われました。たしか主人公の男の子の名前は一緒に考えましたが、物語はほとんど仕上がりの本のまま、MOOCHYの中で出来上がっていました。ビジュアル的なイメージはお互いに話し合い、絵に関しては私に任せてくれました。
「Tam」はどこの国でもあるような、どこの国でもないような、昔か今かわからないような無国籍な感じ、登場人物もはっきりとしたキャラクターにしたくなかったので、なるべく顔や姿は形創らないようにしました。とにかく音源を何度も繰り返し聴きながら、深く入り込んで描きました。 SOFTの音楽を目を瞑って、Tamと一緒に宇宙の旅ができるように、読む人、聴く人が自分なりの想像をふくらませれるような絵本になればいいなと思います。

—2021年にTAM『Soft meets Pan』を改めて聴いてみて、また今回UAさんの声が入った動画を見て何を感じましたでしょうか? 再び新しくなった作品の魅力を教えてください。

内田松里:2010年発売の時はUAに帯のコメントを書いてもらった。発売後すぐに3.11があり、私(原画展示)とUA(リーディング)は避難中でリリースパーティーを欠席した。その後、私事ですが、家族に不幸があり、TAMのことも含めすべての活動、関係が休止してしまいました。 UAの声は、歌を歌う時だけでなく“声”自身に本当に生命の力を感じる。今回ナレーションをしてもらい改めてそれを感じました。主人公のTAMの小さな思い~勇気、愛、人間模様から宇宙の星々までも1人のナレーションとは思えない、UAの感情移入というか、やはりすごい表現力だなと思った。UAの声の宇宙船に乗って旅をしているような。
最後にUAの声で、TAM『Soft meets Pan』全体が重圧感のあるものになったと思います。

—コロナ渦がまだ完全に収まっていない世の中ではありますが、今後の活動について、またシャウトしたいことがありましたら教えて頂けますでしょうか?

何年にも渡り活動出来なかったが、ようやく3,4年前くらいから絵も描けるようにり今は勢力的に活動を始めた。そんなことで、MOOCHYも私もみんな力を合わせて創ったにも関わらす、宣伝も活動も全てが尻切れトンボみたいになってしまっていた切ない思いの残る作品だったので、TAMの11年ぶりの再リリース&動画は本当に嬉しい。
当時からの大切なキャストであるUAがナレーションで参加してくれた事は本当に嬉しい。
活動復帰してからは2017年に展覧会開催、世の中変化もし、マルシェや自然サスティナブルなイベントが増え、そのようなイベントのフライヤーやオーガニック花屋さんやビオ市のポスターの依頼が増えた。またWEB上で使うイラストなども以前より多くなった。自分としては未来を創る、子どもの本などの絵を本格的に描きたいと思っている。




うちだまつり

嵯峨美術短期大学ビジュアルデザイン科卒業。関西でグラフィックデザイナーとして雑誌やクラブやライブのフライヤーを制作。ビジュアル作りとして絵も描きはじめる。
FMラジオJ-WAVE の人気番組だった『UAのカピバラレストラン』の毎月1冊発行されるフリーペーパーのデザインを1999年から3年間担当していた。この頃から絵に転向。キセル、PUSHIM、DRY&HEAVY、ゆるゆるギターズなどのCDジャケット、演劇のチラシ、Tシャツ、本の表紙、ポスター、フライヤーなどの制作。2010年 はらまさこ 改め内田松里。神奈川県、旧藤野町の廃校で毎年行われていた芸術祭「ひかりまつり」のフライヤーやポスターの絵など。近年は地元藤野で生産のクラフトチョコのパッケージや、マルシェやライブイベントなどのフライヤーやグッズ、オリジナルポストカードも制作。

【展覧会】
2000年 東京ギャラリー無寸草/2001年 大阪WHO’S WHOギャラリー/2004年 神戸カフェナフシャ/2016年 神奈川県藤野ふるさと村創成 30周年記念、創造展 /2017年 神奈川県藤野カフェレストランshu/ 2018年 山梨県上野原市 廃校芸術祭 etc…


●ジャケットワーク
・キセル
「夢」「近未来」「ギンヤンマ」「旅」「Magic Hour」
・dry&heavy
「DUB CREATION」 「FROM CREATION」「KING JAMMY MEETS DRY&HEAVY IN THE JAWS OF THE TIGER」「FULL CONTACT」
・ACIDMAN
「Scene of Loop」「Slow View」
Scene of Loop(DVD)で映画監督の是枝裕和さんとの対談が収録されています。
・PUSHIM
「colours」「hevenly」「music is mystic」
・ゆるゆるギターズ
「Mellow Guitars」
●UA関連
・カピバラレストラン(J-WAVE)のフリーペーパー
・UAツアー舞台美術

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